秋の風が優しくわたしの頬をなでるとき

最近体調が思わしくないせいか、それとも、今日が久々に涼しかったせいかなにを血迷ったかふと一瞬、今日が11月のような気持ちになってしまいました。
そしてあろうことか「今日はこんな格好(夏でも常時長袖)でも寒くないくらい暖かい風が吹いているわ」と思いました。
そこで、わたしが感じた気持ちと言うのは夏に「あぁ、秋っぽい風が吹いてきたなぁ」などという可愛らしい季節の錯覚ではなく、今日と言う日が11月初旬だと思い込んでいて、秋にしては暖かい風が吹いていて気持ちがよい。という感覚なので、わたしはひどく驚きました。
わたしは都会に住んでる割には季節の匂いに敏感な方だと自負しております。
5月にどんなに熱くなろうと夏の匂いがしなければわたしの中で暑い春と認識されるだけですし、8月の残暑がどれほど厳しくても風が秋の匂いになればわたしの中では秋なのです。
わたしは季節の変わり目の匂いが好きで、それをわたしよりも先に察知する植物からそろそろ季節の変わり目の風が吹くと言うことを教えてもらうのも好きなのです。
つまり、今日の風は秋風だったのです。
それも、わたしの郷愁を誘うような懐かしい秋風だったのです。
その風はわたしに思い出をこぼしていったような気がします。
体調を崩しているせいでわたしの季節匂いセンサーが壊れているのか
異常気象のせいで本当にすでに秋が到来しているのか。
真相はわかりませんが、心地のよいわたしの秋風が頬をなでて通って行くことは事実なのです。
いまも、ほら。
秋来ぬと めにはさやかに みえねども
            風の音にぞ おどろかれぬる