ドキュメンタリー

今日のNHKは良作のドキュメンタリー作品を2作放送していました。一つ目は「フリーター漂流」そしてもう一つは以前放送したイラクに派遣されたアーカンソー州兵の続編。

  • フリーター漂流

フリーター漂流の方はまさしく現代社会の「闇」の部分。闇というとダークなイメージが広がるので「影」と言った方が良いのかもしれません。モノヅクリの現場でフリーターが活用され、まるで機会のように使い捨てられる、そんな人間模様。
1ヶ月で4つの工場をたらい回しにさる日々。そのサマはまるで人間雑巾。くたくたになっても「そうですか、じゃあさようなら。」でTHE END.
携帯電話の機種のハヤリスタリは彼らの縁の下の力(どころかアンダーグラウンドの世界)があってこそなし得る技らしい。
一方でやれ、デジタル特需だ、中国特需だ、などと言って光り輝く「日本」の影の世界。
こう言うのを見ていると「おい、日本。これから先大丈夫なのか?」と思ってしまう。2020年には所得格差がかなり開く(具体的には人口の25%が日本の財産の75%を所持するまでになるらしい、とか30歳の平均年収が200万わるかも)という話もまんざら嘘ではないのだな、と実感せざるを得ない。
このドキュメンタリーでは3人の若者を追っていました。一人は「高校も卒業していないからまともな職につけない人」。一人は「不況のあおりで転職せざるを得なくなった人」。そして「夢を見つけるまでフリーターをやると言い張る人」。
どの人も見事に現代日本の闇の部分を持っている、と思った。こう言う若者は多分増えていて、これから先減ることはないだろう。
この人たちは自分の将来に不安はないのか?もしかすると本人よりもまわりのほうが彼らの将来を不安視しているのかもしれない。今はなんとも思ってなくても、こんな生活をしていると、いつか自分がいたたまれない気分になることがあるだろう。
それでもこの日本の不思議なところは、そんな彼らでも傍目で見る限りでは正社員として働く同じ年頃の若者と同じような暮らしができる、というところだ。TVも見る、ゲームもする、映画も見る、携帯だってもってるし、部屋だって多少の質の違いはあれど狭いお国柄、そんなに変わることはない。
ただ違う部分があるとすれば、「心」の部分でしょうか。「自分は負け組だ」というどこからともなく植え付けられる負け犬根性があるかないか。自分の人生に自信を持つことができるのか?そんなところだけ。
だいたい戦後の高度経済成長の時に「年功序列賃金制」「終身雇用」なんて不思議な伝統ができるから悪かったんじゃないでしょうか?それらが崩れてきた現在、企業に就職したって、いつ解雇されるかわかんない、ずっと働いてたからって新入社員より多くの給料をもらえるとは限らない。一度与えられた幸福が崩れ去るのは、はじめからなかったのより辛いですからね。だったらフリーターと正社員の違いってなんだ?「解雇するまでに通達があってから時間がある」とか「退職金が出る」とか「保険制度が充実してる」とか?あとはやっぱり心の問題かぁ。
経済的な豊かさだけが「幸せ」のバロメータではないと私は信じてます。金持ちにだって不幸な人は居るし、路上生活者にも幸福な人は居るでしょう。しかし、豊かさに裏打ちされたプライドを叩きのめされた時、生きていけないほどダメージを受ける人は多いのです。それは人間の最も弱い部分だと思います。国民の8割がB級意識を持つ日本・・・「まぁ、こんなもんやろ」が崩されたとき、日本はどうなるのか。その時私はどうするのか。
今はただ、幸せな人がもっと多くなれば良いな、と思います。

これは前回の放送されたアーカンソー州の州兵がイラクに派遣されるドキュメンタリーの続編。前回の放送ではアーカンソー州の州兵が召集され、テキサスの軍事施設で訓練を受けて、派遣されてから半年ほどを取り扱っていました。今回は重複する部分もありましたが、派遣されてから1年目を迎え、はじめての休暇で本国に帰る州兵の様子や、爆撃を受けて治療を受ける州兵の様子が描かれていました。
これを見ていて「愛ってなんだろう」とふと思いました。アーカンソー州の州兵たちがイラクに行ったのは「アメリカを愛しているから」。でも兵、一人一人を愛する者たちは「アメリカ」への愛より「兵、一人一人」への愛の方が強いのも事実。1年も離れ離れで過ごしていたらさまざまな疑念が生まれるのも当然で、そこから愛が崩壊していくこともあります。わたしなら愛する者が召集されて絶えれるでしょうか。
アメリカの政府はいくつの愛を壊すのでしょう?
このドキュメンタリーを見て思うことは、イラクが攻撃されているのだからイラクも被害者で、イラクの国民も被害者で、そこに居る人達の温かい家庭をアメリカはいくつも壊しましたが、そんなアメリカも個人単位で見れば皆、被害者なのです。
この前見たイラク戦争とメディアのドキュメンタリーを思い出すと、多分加害者は一部の政治家とメディアなのでしょう。
職業軍人ならそうは思わないのかもしれませんが民間兵である彼らは「なぜ、何のためにここに居るのかわからない」と言います。精神的疲労も大きいでしょう。それでも戦争は続くのです。ブッシュが戦争は終わったと言い張ったとしても、戦争は続いているのです。
大量破壊兵器も発見されなかったイラクでなぜ戦争が起こったのでしょうか?一つには石油の利権問題がかかわっているとかいないとか。ラムズフェルドとその一味は昔からいつかイラクを潰したいと考えていたようですし、その機会が9.11のテロの時に来たと考えたのでしょう。しかし、オサマ・ビン・ラディンイラク政府のつながりは未だグレーのままですし、戦争の口実となった大量破壊兵器も見つからない、ではこの戦争で死んだ全ての人に申し訳が立たんでしょう。
ラムズフェルドドクトリン」のドキュメンタリーを信じるならホワイトハウスの会議ではじめてイラク攻撃という言葉がでたのは9.11の夜。先走りすぎ・・・ですよ。
独裁主義が非難されていたイラクですが、北朝鮮トルクメニスタンに比べると独裁主義の中でも成功を収めていたようです。フセインの独裁主義のおかげでイラクアラブ諸国の中で最も高い女性の社会進出を誇っていました。これはアラブ諸国の中では独裁主義でないとなし得ないことだと言っても過言ではないでしょう。(もし、他のアラブ諸国で戦前のイラクの女性の社会進出値に持っていこうとしたら、自然の流れに任せたらあと50年はかかるでしょう)
悪いばかりだとは言えなかったイラクを「悪の枢軸国」と名指しし、攻撃した理由がわかりません。
やっぱり石油の利権問題なのか、それとも西洋的思想にのっとらないイラクが成功していくすがたを見るのが絶えられなかったのか、ただ単にアラブ的思想の国が嫌いなのか・・・真相を知るのはあの9月11日の夜にホワイトハウスで円卓を囲んだ人達だけです。
でもフセインがつかまったのにオサマ・ビン・ラディンがつかまってないとか、実はアメリカの大手戦争用武器メーカーのかなりの株をビン・ラディんの父君が持っているらしいとかいう噂を聞くたびに9.11のテロって本当はアメリカが影に隠れてビン・ラディんにやらせたんじゃないかって気がしてならないです。
ま、どこまで本当か嘘かはわかりませんが、ジョージが大統領に就任してすぐに9.11のテロが起きたのって都合よすぎません?CIAが阻止できたはずなのに阻止しなかったのだって、パパブッシュがCIAの元長官だったからそっちには融通がききますし、何よりなぜペンタゴンに追突したかですよね。私がテロリストなら、ワールドトレードセンターはわかるとして(資本主義の象徴、かなりの資本主義者を殺せる)ペンタゴンに突入するくらいなら自由の女神に突っ込みますって。その方が絶対アメリカ人の社会不安を呼べたとおもうんですけど。でも、この間のラムズフェルドドクトリンのドキュメンタリーを見ていて、ペンタゴンのテロ事件があって以来ラムズフェルドは制服組を黙らせることが出きるようになった云々(このテロ事件でラムズフェルドはかなり活躍したらしい)・・・と言っていたのを見て、まさかこのためにペンタゴンに突入させたんじゃ・・・?って思いました。まさかね。
でもペンタゴンって軍の最高機密が隠されているところのはずなのに、テロの後あっさり敷地にTVカメラが入っていたし・・・結構書類とか飛んでた気がするんですけど、その辺の情報漏洩とか気にしなかったんですかね?事件の当日にもちょっと怪しいな、とは思ったんですけど。
流石のアメリカ政府もそこまで腐ってないか。自国民何千人を犠牲にしてまでイラクと戦争がしたかった、なんてことあるわけないですよねー。