漫画について

もちろん漫画にもA級B級ってのはあると思う。
それは上記のような意味において。
今日、惣領冬実の「ボーイ・フレンド」という漫画を読んだ。
コレはまさしくB級。しかもかなり上のクラスのB級。
考え方とか、生きる姿勢みたいなものが全くもって80年代ナイズされてて、面白い。
80年代をよく反映した作品だと思う。
こういう過去のB級漫画を読むのも悪くない。
手塚漫画や萩尾望都の漫画を読むのとは違った面白さがある。
「ボーイ・フレンド」のような、時代に乗って出てきた良作、というのは時代がたつと飽きられがちだったり忘れられたりして、時には「なんで、私こんな作品好きだったんだろう?」と思うこともある。
それは案外、80年代に生きた自分に対してひどい嫌悪感を抱いているときだったりするのかもしれない。
確かに、私も自分がモノゴゴロがついてからのB級作品はまだ読み返す気になれなかったりする。
嫌悪感、とまでは行かないまでも当時の自分がチラチラと心の中に現れるのがうっとおしいから。
逆に言うと、読者を感慨に浸らせるような「スキ」をつくらせる作品ってのがB級なのかもしれない。
それが良いほうに作用するか悪い方に作用するかは読者のモチベーション一つである。
A級、B級は題材には左右されないと思う。

だって、一条ゆかりはB級作家が好むような題材ばっかりに手を出しているけれど、いつまでも色あせない、A級作品ばかり描くのだから。

B級作品を求めて読んだ本がA級作品だったりしたら案外ダマサレタ気分になる。
それは街の定食屋でフランス料理のフルコースを食べさせられた気分。
決してどちらが上とか下とか言えるものではない。
全くもって別気質のものなんだから。
でも私はどっちかっつうと定食屋が好きというだけの話なのである。