そこで考えてみる「宝塚のための西洋風宇治十帖」

(勝手に設定を改変してるとこもアリ)

主人公は由緒正しき貴族の子息で王族出身の母を持つ美青年。幼くして父が亡くなり、母は田舎の別荘に篭りっきりでなかなか逢ってはくれない。使用人たちは美しかった父に似た薫(仮)を見るのが辛いのだろう、などと言葉を濁してはいるが、父も母も屋敷で過ごしていたころの記憶の限りでは母がそれほどまでに父を愛していたとは思えなかった。(母は死んだ設定にして手紙か何かで自分が父の子でないという事を完全に知ってしまうと言う手も有り)
「どうやら自分は父上の血のつながった息子ではない」ということにうすうす感づいている薫(仮)は爵位を自分が継ぐ事や、父の息子だからという理由でちやほやしてくれる社交界の人達に対して騙しているような居心地の悪い思いを感じているのだった。
そのため薫は王族出身の母、名門貴族の父の元に生まれたにしては謙虚で、思慮深く、いつもどこかにかげりがあるような雰囲気を漂わせていた。学生時代はストイックに勉学に励み、武術も磨いたが薫はいつも父に影響されない「どこかに居るはずのもう一人の自分」を捜し求めるようになる。
特に皇子である匂宮(仮)と一緒に居ると、噂で聞く亡き父と面影のだぶる匂宮に言い表せないほどの嫉妬を抱くのだった。また、明るく本能のままに生きている匂宮の存在は薫には眩しく、自分の闇の部分がより強く感じられて薫は匂宮が苦手だった。

続く・・・






・・・のか?