葬式
伯父の葬式に行きました。
田舎の葬式はややこしくて好かんです。
隣近所の付き合いで制限や決まりがいろいろあるそうなのです。
田舎の葬式は盛大で、いちいち見栄を張って大変なのです。
ちょっとしたお祭り騒ぎです。
都会での葬儀とは違って自宅で葬儀を挙げるので余計に大変です。
親族なのによそ者の私達はただひたすら食べて飲むだけです。
紅葉がそろそろ色づき始めて朝夕はとても冷え込んでいて、
とても気候の良い時期です。
伯父は享年55歳。
従兄弟はまだ20と19です。
葬儀の最中に泣き崩れた伯母の背中が小さくて、
伯母の姿を目の中に入れたら、
こちらの胸までも愛であふれそうになって、
さらに涙が込み上げて来るのです。
父が声をあげて泣いていました。
祖母や祖父の時にはそんなことありませんでした。
考えて見れば父の想い出話の中に「兄貴」はよく登場しますが、
「親父」と「御袋」はそれほど登場しません。
父は「お兄ちゃん子」だったのでしょう。
突然だったというのもあったのかもしれません。
若いというのも涙をさそうのでしょう。
行き場を失った愛が涙となってあふれてくるのです。
伯父は愛される人でした。
私も大好きでした。
でも、なによりショックだったのは横たわっていた遺体の顔が、
父にそっくりだったことでしょうか。
他の人はそうは言いませんが目や鼻がよく似ていると思ったのです。
号泣する伯母を思い出しながら愛しい人に先立たれた時に、
その人の葬儀を挙げなければならないつらさについて考えました。
考えただけで気が遠くなりそうで、
19や20歳でそれを乗り越えなければならない従兄弟達は、
スゴイと思いました。
特に20の兄は気丈で、たくましかったです。